思い起こせばPebble Time 2の突然なプロジェクト中止。あれから私はスマートウォッチに関する迷走状態に陥ったのだ。KickstarterでBackしたプロジェクトが5つくらい、そのうちの3つくらいは多少の遅延はありつつもPledgeを受け取り、2つくらいはいまだにコメントページが「REFUND! REFUND!」で進行している。そんななかでFitbit Versaが発売されたと聞き、そして展示会で実物に触ることもできた。にも関わらずなぜか手を出さずにいた。そして、ある日ふと気付いた。これって、俺が欲しかった奴じゃね?
気付くのおせーよ。てことで、買うと決めよう。あ、一応事前にやりたいことができるかを確認しよう。メインは通知機能、これが欲しい。あとは…なんだっけ。バッテリーは数日持つ、これも大事。モデルはノーマル(無印)とスペシャルがあるようで、違いは材質。Wallet機能はスペシャルのみという記述もあったが、公式サイトにはそんなことは書いていない。そもそもAppleみたいな巨大会社でもないのに独自のWalletが普及するとは思えんので不要だろうが、後で悔いるのは嫌だから、10%程度の差額だったら良い方にしよう。ポチっとな。
第一印象は視認性が良いこと。そして、スマホ側にアプリを入れて初回同期させた時点でほぼ使える状態になっているような使い易さ。この辺がFitbit流なのかもしれない。技術畑の人ではなくて健康畑の人が使う想定かな。簡単なものほどよく考えて作らないと独りよがりで理解不能に陥りがちだけれど、これについてはそういう心配はない。えらい。すごい。誉める。
スマホアプリの画面上でメニューは5つ。ダッシュボード、チャレンジ、ガイダンス、コミュニティ、通知。チャレンジとガイダンスは身体を鍛える関連。コミュニティはFitbit独自のグループをベースにしたSNSみたいだ。メニューにある通知はアプリからの通知ではなく、コミュニティ内のものと思われる。これはほとんど使わない感じがとてもする。そそくさとVersaの設定画面を開く。
スマホアプリのVersa設定画面にはアイコンが6つ並ぶ。文字盤、アプリ、メディア、ウォレット、使用方法、アクセサリー。文字盤やアプリはその名の通り文字盤変更とアプリの追加&削除。Pebble使いにとっては懐かしさを感じる。メディアはDeezerサービスかFitbit Versa本体の音楽ファイルをBluetoothスピーカやイヤホンで聞くというもの。音楽ファイルは別途WiFi経由でPCから送り込んでおくのだ。ランニング時とかには良いかもしれないが、いつもスマホを携帯してるし使わないだろうな。音楽を聴かないとなるとWiFi機能やメモリがもったいない気もするが、拡張性だと思い込んでおこう。ウォレットはFitbit Payなんだそうだ。試しにスマホのNFC読取アプリを立ち上げてかざしてみると、スマホ側では不明と出るがFitbit Versa画面には暗証番号入力用画面が表示される。てことは、SUICAでもEdyでも技術的には可能なんじゃないかな。残りのアイコン、使用方法はマニュアルへのリンク、アクセサリーは販売店サイトへのリンク。
アイコンの下部にあるメニューリストをスクロールすると通知の設定がある。通知オプションの画面で色々といじり、Versaで確認したい通知を選んでいく。電話の着信はON/OFFスイッチ。メッセージ、カレンダー、メールはそれぞれメインで使っているアプリを選択するようになっている。メッセージならMessengerかハングアウトかSMSか、のように。ここまでの設定画面にはLINEもドコモメールも出てこない。でも大丈夫。その他のアプリが「アプリ通知」という設定画面にずらっと一覧で表示されるのでチェックボックスでON/OFFを切り替えていけば良い。この辺はPebbleと同じ。残念ながらバイブレーションのパターンを変更する設定は無い。ちなみに、通知をONにしたアプリに関しては、返信メッセージの設定画面の表示され、Fitbit Versa側の操作のみで返信することができるようになる。LINEについて試してみたら可能だった。
一通りの設定が終わったらお外に連れ出す。通知のバイブレーションも十分に強くて良い。LCD画面もくっきりしておりバックライトが強力なのだろう炎天下でも視認性に問題はない。何しろ軽い。目標歩数を達成すると花火が上がった。こういうの元々は嫌いなんだけど、でもちょっと綺麗で悪い気はしない。あれこれいじっているうちに健康管理的な面にも興味が出てきてしまう。よいことだ。
歩数のカウントは朝身支度をして家を出るまでで数百になっていたりと、他のデバイスよりは多めに出るような気がする。敏感すぎるというよりは細かいステップもきちっと拾うという感じ。睡眠の状態は特に操作をしなくても勝手に記録してくれる。これがえらく精度が高いと感じる。寝付けないなあ、なんて状態の時に後で確認したらちゃんと「覚醒」の扱いになっている。ここらへんはFitbitの技術力なのだろう。
是非追加で欲しいのはまずスマホ用の音楽コントロール。汎用的な音楽アプリコントロールがPebbleにできてこいつにできないことは無かろう。それからスマートアラーム。誰かが作ってくれたアプリはあるようだが、精度の高い睡眠トラッキング技術を活かした純正アプリが欲しい。さらに欲を言えばスマホカメラのリモートシャッター。Pebble Timeでは、タイミングは遅くなるものの画像を文字盤で確認しながらシャッターを切れるアプリが提供されていたのだ。
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そんなわけで、ZeTimeをやめてFitbit Versaに乗り換えることにした。Fitbitのノウハウも得て提供されたVersaはとても良い製品だ。だが重ねて言っておこう、Pebble Time2が順調に提供されていれば回り道はしなかっただろう、と。誰が悪いわけでもないんだけど、ちょっとだけ悔しいから。