ルーズヴェルトゲームとかいうドラマ

原作は読んでいません、2014年春に放送されたテレビドラマに関してのみ勝手なことを書きます。

だって、黙ってらんないんだもん。

※ネタバレがあります。

そもそもこの青島製作所という会社なんだけど、主力商品はイメージセンサーだって。これがこのドラマを矛盾だらけにしているポイントなのよ。

Q:実際に高解像度のイメージセンサを作っているメーカーはどこでしょう?
A:ソニー、シャープ、キヤノン、パナソニック、サムスン、…

最近は経営が厳しいというところもあるけれど、どこもでかいです。売上は軽く数兆円という規模です。理由は簡単、イメージセンサって金かかるんだよねえ。

ほら、2013年末にソニーがルネサスの鶴岡工場を買収するって発表したじゃん。あれ、工場を75億円で買って、更に275億円の追加投資をするねんて。ちなみに、ソニー過去3年間のイメージセンサ関連の設備投資は2,200億円だとさ。

このドラマの舞台である「中堅部品メーカー」が手を出せる代物じゃあないってこった。

こういう無理筋な設定の下、波乱万丈な物語が展開されていくのでありました。

序盤、システムの不備による出荷ミスを隠蔽するというくだり。

有りがちなふうではあるものの、今時データの改ざんなんかやらかしたら会社の信用がた落ちだわ。それに、そんなシステム不備をやらかしたら、システム納入業者に損害賠償だわ。いやまて、ストーリー上では虚偽ではあったものの、派遣社員だか契約社員だかのミスを見逃すなんて会社としての統制が全然駄目だわ。見逃した連中が更迭されるわ。

こんなことがあって、一時期は見るのを止めたんだが、ツッコミ番組としてまた見始めた。ビールと共に諸々と細かいツッコミで独り盛り上がりつつ、やがて物語は大詰めへ向かう。

画像に文字が写り込むというバグをイメージセンサに仕込むという荒業が炸裂する。
いやあ、開発中にそんなことしてる場合じゃないでしょう。
イメージセンサを盗み出してマネする的なところにも無理がある、あり過ぎる。しかも他社品を自社品だって偽るなんてアンタ、大目に見ても納入先全部から速攻取引停止でございます。

そして(視聴者にとって)衝撃的な事実が明らかになる。

なんとこの会社、上場していなかったのよ。
そんな立派な経営してきたのかよ、苦しいってウソだろ。

やばい、色々と観ている方が混乱してくる。

そんでイメージセンサについては「ついでに小型のものを作ってみました、てへっ」って、簡単に言う。開発費用がどんだけかかると思ってんだ、使い道くらい想定して作れ。
そしたら「スマホに使えるじゃん、気付いた俺天才!」って、誰も考え付かなかったのか、馬鹿が集う会社か。
それにしてもその手に持っているイメージセンサはスマホ用としては全然デカ過ぎるから。センサが大きければレンズも大きくなるし、カメラモジュールとなったら相当なサイズになるんだから。それ無理だから、入りきらないから―。

そして緊張の場面、合併か否かを問う株主総会がすんげえ少人数で開催される。
今まで長期保有してきた人達でしょう、昨日今日の合併話ごときで……  めっちゃ揺れとる。

いやいやいやいや、キャピタルゲインが欲しいんなら合併じゃなくて単独上場させろって。
答はそれだよ、簡単だよ、なんで上場してねーんだ、なんで上場させねーんだ。

相手側企業が半導体に500億円もの巨額投資をしているという話で株主ザワつく。それはリスキーだって、そりゃそうだけど。
イメージセンサも半導体なんですよー、投資も同じくらいなんですよー。

合併話が流れ、失意の株主に会長が株の買い取りの声をかける。
それ上場したら大化けするに決まってる株だから。
株主売っちゃダメー、会長もっと考えなきゃダメ―。
超優秀な経理部長もいるんだからー、買取じゃなくて上場の話をしよーよー。

いや、待てよ。
相手会社に売られる前に俺が買っちゃるぞという会長の読みか。
そのくせ、賭けに負けたら譲ってやるとか会長の言動は意味不明が続く。
これを書いている俺も既に大混乱で何を言いたいのか解らなくなってきた。

一方、野球の方はよく解らないけど、青春ストーリーが進んでいる模様。

そして最終回、イメージセンサのコンペが始まる。

直前までチューニングをしている開発者たち。
解像度や感度がそう簡単に改善できるわけねーがな。
職人さんが手作業で1ミクロン角の画素2,000万個のノイズを調整しているってことかしら。
そりゃーそんだけの技術がありゃー、そりゃー勝てるわ―。


流れ的にはそんなに悪いドラマじゃあないとは思うんですよ。

ツッコミながらも勧善懲悪なところとかは楽しんでいたしね。

イメージセンサにしないでカメラモジュールくらいにしとけば良かったのに。

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