これもまあ、比較的簡単な部類に入る燻製。
鳥はむ(本来は「鶏ハム」と書くべきだと思うけど、ネットでは「鳥はむ」の方が主流の書き方になっているようだ)を作って燻製するだけ。説明も不要だろう。
鳥はむの作り方にはバリエーションがあって、ネットで検索すれば色々と出てくる。ポイントをかいつまむとこんな感じ。実に簡単であるし、燻製するのであればさらに手順は簡単になる。
- 鶏の胸肉を使う
- 2日間くらい冷蔵庫で塩漬けする
- 塩抜きをする
- ハムの形に成形する
- 火が通り過ぎないように茹でる
では、俺流ということで燻製に至るまでを順番に紹介していこう。調味料、香辛料や調理器具の都合もあるので、こうやらねばらないということは全くない。
まずは鶏胸肉の準備。強い加熱をしない調理法なので、できるだけ信頼できる店で新鮮なものを買い求めたい。燻製時には邪魔にしかならないので、皮が付いていればこれを外し、脂も取り除いておく。この際に使用する調理器具や手指はしっかり洗っておくことが重要。塩漬けをしておく時間のうちに傷みが発生しないようにという意図である。綺麗な流水で肉を洗い、キッチンペーパーで水分を拭き取る。
続いて塩漬けの手順になるが、まず胸肉1枚に対して小さじ1杯程度の砂糖を擦り込む。さらに、小さじ2~3杯くらいの塩と適量のコショウとハーブ、スパイスの類を混ぜ合わせ、まぶしていく。適量じゃわからんかもしれないけど、量ったことが無いから本当に適量としか言いようもない。強いて言えば小さじ半分くらいかな。この後ジップロックに入れ、できるだけ空気を抜いて冷蔵庫で保存する。ジップロックの空気を抜く方法としては、ストローで空気を吸い出す方法もあるが、洗い桶に水を張って沈める方法が良い。もちろん、中に水が入ったら全部やり直しになるので十分ご注意を。
ここまでやったら冷蔵庫で2日間を目安に保存しよう。
塩抜きについては、2日間程度であればやらなくてもいいと思っている。俺流ではラップなどをかけずに茹でるのだし。ジップロックから取り出したら流水で表面の塩やらを洗い流し、適当に水分を取っておく。
茹でる前の成形については、燻製の場合は必要ない。一般的な鳥はむでは筒状になるようにラップで包むなどして成形するようだが、それだと逆に燻煙の効きが弱くなってしまう。鳥はむの燻製ではなく、胸肉の燻製ですかね。
成否のカギとなるポイントは「茹で」の工程にある。一般的なのは「沸騰した湯に入れて再度沸騰させたのち常温になるまで放置」というものだと思う。たまたま我が家には温度キープができるIH調理器があったので、「沸騰した湯に入れ、70℃で30分間キープ」というやり方を取っている。ここまでで「鳥はむ」としては完成になる。
茹でた残り湯も味を調えれば美味しいスープに。
ここからは燻製の段階に入る。鳥はむを湯から取り出し、表面の油分をさっと洗い流し、水分を拭き取ったうえで風に当てて表面を乾かす。30分間~1時間程度で表面は乾いてくるだろうから、そのまま熱燻15~30分間にかける。表面がいい感じで色付いたらできあがり、できれば翌日まで寝かせてからスライスして食べよう。
この燻製の優れているところは、鳥はむとして完成している料理をベースにしているため、滅多なことでは失敗にならないということだ。また、燻製時に脂が溶けてたれる心配もなく、フックでぶら下げても形が崩れないことも扱い易いポイントである。手がかからない割に出来上がりを提供すると大いに喜ばれることも嬉しい。
ここまで読んでくれた人にはもう一つとっておきの情報を提供しよう。同じ手順で砂肝(筋だけは取り除いた方が良い)や鴨の胸肉も燻製にできるということだ。これらは血の匂いがやや強いため塩漬けの際には分けた方が良いが、仕込みのタイミングも同じだし一緒に茹でても問題はない。
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このハーブミックスは大量に惜しげもなく使える分量があり、鳥はむやベーコンを作るなら黒胡椒を足すだけで重宝する。