All You Need Is Kill

マンガを読んだだけなんですが。

原作はライトノヴェルに属するSF小説で、戦死すると出撃前の時間に戻るというタイムループがテーマになっている。このこと自体はネタバレでもあるけれど、この物語の良さはこのネタを矛盾なく活かしきっているところだと思う。

日本原作トムクルーズ主演というキャッチコピーでがハリウッド映画が公開されているわけだが、原作のイメージなんか無視したドンパチCGになってるんじゃないかと危惧するんだけれどそれはまた別の話。

さてこのタイムループがとてもうまく使われていると感心した。記憶のみを残してループするので、筋力が鍛えられることはないが筋肉の使い方が上達していくのだ。そして何十回何百回も戦場へ行き、実戦での武器の扱い方が人並み外れたものになっていく。

SFに限らず小説には「嘘」が必ずあるのだが、テーマとなっている嘘あるいは設定以外のところが矛盾せず世界としてまとまっているところが良いのだ。その点においてこの作品は正に映画化される価値がある。スティーブンキング並みのものだと思う。(少々褒め過ぎであろうか)

そして同じような完全性の高い嘘の世界として思い出したのはボブ・ショウの「去りにし日々、今ひとたびの幻」である。この世界では「スローガラス」という物質が偶然の産物として発明されている。光が通り抜けるのに長い時間を要するという特殊なガラスの存在だけが「嘘」であり、なるほど起きるべくして起きるような出来事が綴られていく。物語そのものはもうまるで覚えてもいないが、スローガラスがあればどんなことが起きるだろうかと思い巡らせた記憶がかすかに残っている。

こういった「嘘」を思い付く才能、その世界の情景や人物を描く才能、どちらへも羨望の気持ちを抱かずにはいられない。

真に残念ながらサンリオSF文庫は絶版で、タイトルによってはプレミアムがついている。

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